翻刻!江戸の医療と養生

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養生長寿秘伝鈔 2巻 - 翻刻

養生長寿秘伝鈔 2巻 - ページ 28

ページ: 28

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【右丁】  聞及(きゝおよ)び候 義(ぎ)も有之(これあり)候はゞその方(ほう)一人(いちにん)として押隠居(をしいんきよ)に  いたすべく其時(そのとき)聊(いさゝか)違背(いはい)申 間敷(まじく) 又 妻(つま)への交(まじは)りの義(ぎ)は  彼(か)れ平生(へいぜい)異見(いけん)を申 居(をり)候 得(へ)ば夫婦(ふうふ)の間(あいだ)の所(ところ)は兔(と)角(かく)  妻(つま)の申 通(とう)りに随(したが)ひいさゝか背(そむ)き申 間敷(まじく)候 亦(また)親人(をやびと)への  仕(つかへ)かたこれまで言語同断(ごんごどうだん)の不 孝(かう)何(なに)とも可申様(もうすべきよう)こ  れなく我(わ)がすく所(ところ)に着(ぢやく)し不 孝(かう)のみならず 心(しん)  痛(つう)いたし既(すで)に危(あやう)き場(ば)に臨(のぞ)み候 夫是(それこれ)能(よく)得心(とくしん)い  たし候 間(あいだ)安心(あんしん)くれ候 様(よう)常(つね)にかわりて しみ〴〵  談(だん)じられ誠(まこと)に心根(しんこん)に徹(てつ)し落涙(らくるい)いたしあり難(がたく)  存(ぞん)じ斯(かく)思召(おぼしめし)の上(うへ)は一 言(ごん)も可_レ申 様(よう)御座(ござ)なく只(たゞ)御身(をんみ)御(をん) 【左丁】  家(いへ)大切(たいせつ)とばかり申し跡(あと)一 言(こと)もいでかね其場(そのば)を立(たち)さり  つら〳〵考(かんが)へ候に是(これ)までの半分(はんぶん)にも慎(つゝし)みくれられ候は  ヾまづあり難(がた)き義(ぎ)なりと存(ぞんじ)扨(さて)日(ひ)立(たち)月(つき)たちいかゞと  日々(にち〳〵)のようす伺(うかゞひ)見居(みをり)候ところ全体(ぜんたい)生得(せうとく)才智(さいち)御座(ござ)候  へば追々(をひ〳〵)万事(ばんじ)厳重(げんぢう)に相(あい)なり聊(いさゝか)乱(みだ)れヶ間敷(ましき)義(ぎ)これ  なく半年(はんとし)たゝざる内(うち)顔色(がんしよく)見直(みなを)し色(いろ)つやいで心(こゝろ)  持(もち)いりかわり候 様(よう)柔和(にうわ)になり人(ひと)あひ穏(をだや)かに成(な)り候  て老父(らうふ)へも朝夕(てうせき)孝養(かうよう)を尽(つく)し懇(ねんごろ)に仕へられ候 得(へ)ば  老父(らうふ)悦(よろこ)びかぎりなく夜(よ)の明(あけ)たるやう思(おも)われ広(ひろ)き  所(ところ)へ出(いで)たる心地(こゝち)いたすよし併(しかし)もし夢(ゆめ)にてはなきか