翻刻!江戸の医療と養生

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養生長寿秘伝鈔 2巻 - 翻刻

養生長寿秘伝鈔 2巻 - ページ 66

ページ: 66

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【右丁】  らず 問 然(しか)らは女色(じよしよく)酒(さけ)を断(た)ち思慮分別(しりよふんべつ)の念(ねん)絶(ぜつ)せむ事(こと)如何(いかん) 答 是亦(これまた)三ッに非(あら)ず色(いろ)酒(さけ)も思慮(しりよ)妄念(もふねん)より起(おこ)ればたゞ執(しう)  着(じやく)を忌(い)む着念(ぢやくねん)無(な)き時(とき)は科(とが)なし着(ぢやく)不 着(ぢやく)過(くわ)不 足(そく)わ  れ独(ひと)り是(これ)を知(し)る《振り仮名:苦楽無_レ主 従_二分別_一起|くらくしゆなし ふんべつよりおこ》る好嫌(すきゝらい)皆(みな)身(しん)  愛(あい)より起(おこ)りて身(み)を破(やぶ)る。夏(なつ)の虫(むし)の燈火(ともしび)を愛(あい)し淵(ふち)の  魚(うを)の餌(ゑ)を貪(むさぼり)りて命(いのち)を失(うし)なふに似(に)たり我(わ)が好(す)く所(ところ)  の執念(しうねん)より起(おこ)る是(これ)を妄念(もふねん)妄想(もふぞう)と云(い)ふ皆(みな)人 苦悩(くのう)苦(く)  患(げん)絶(た)へざるは妄想(もふぞう)の所作(しよさ)也 即今(そくこん)此(この)妄想(もうぞふ)何(いづ)れより起(おこ)り  何(いづ)れに去るや我(わ)が心源(しんげん)に向(むか)ひ急々(きう〳〵)見究(けんきう)すべし此(この)妄(もふ)  (                                        み) 【左丁】  想(そう)の源(みなもと)を見得(けんとく)せば望(のぞ)み好(この)む所(ところ)の諸願(しよぐわん)の数条(すうでう)即時(そくじ)心(こゝろ)  (               みうる)  のまゝ成(な)るべく後時(ごじ)後刻(ごこく)をいはず即今(そくこん)起(おこ)り去(さ)る心(しん)  念(ねん)の源(みなもと)を見極(みきわめ)よ此(この)源(みなもと)を見究(みきはめ)ずして心(こゝろ)のまゝの快(け)  楽(らく)を願(ねが)ふは無得(むとく)無能(むのう)にして官禄(くはんろく)を望(のぞ)むが如(ごと)し  我(わが)心源(しんげん)を一 決(けつ)せば雑念(ぞうねん)即時(そくじ)に消失(しやうしつ)して自由(じゆう)自(じ)  (                                   きへうせ)  在(ざい)こゝろの儘(まゝ)なる大安楽(だいあんらく)を得(う)べし片時(へんじ)も免(ゆる)さず信(しん)  (                                       かたとき)  力(りき)堅固(けんご)にして一 決(けつ)せよ是(これ)真(しん)の養生(ようぜう)《振り仮名:可_レ為_レ最上|さいぜうたるべし》 一 禅家語録(ぜんけごろく)法語(ほうご)などを見(み)古則(こそく)公案(こうあん)など推量(すいりやう)私(し)  解(げ)して修多羅(しゆたら)【注1】の教(けう)は月(つき)をさす指(ゆび)祖師(そし)の言句(ごんく)は門(もん)  (                             をしへ)  をたゝく瓦(かはら)子なりとて悟道(ごどう)発明(はつめい)して祖仏(そぶつ)をも 【注1 仏教の経典】