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【右丁】
問 知足(ちそく)を得(へ)む事(こと)如何(いかん) 答 足(たる)事(こと)を得(う)るに道(みち)有(あ)り
問 道(みち)何(いずれの)所(ところ)に有(あ)り哉(や) 答 則今(そくこん)《振り仮名:具_レ己|おのれにぐす》
( そなはる)
問 是(これ)を得(へ)む事(こと)如何(いかん) 答 其方(そのほう)来所(らいしよ)を知(し)る哉(や)
問 いまだ《振り仮名:不_レ得|ゑず》 答 来所(らいしよ)を知(し)らざれば去所(きよしよ)
をしらす此(この)去来所(きよらいしよ)を知(し)る是(これ)足(た)る事(こと)を知(し)るの要心(ようしん)也
聖人(せいじん)も生(せい)を《振り仮名:不_レ知|しらず》いづくんぞ死(し)をしらむと宣(のたま)ひ我(わ)
が生死(せうじ)の去来所(きよらいしよ)を自知(じち)せざれば善悪(ぜんあく)邪正(じやせう)に犯(おか)さ
れ苦患(くげん)苦悩(くのう)絶間(たへま)無(な)し。 問 生死(せうじ)去来所(きよらいしよ)を得(へ)む
時(とき)如何(いかゞ)して善悪(ぜんあく)邪正(じやせう)去滅(きよめつ)する哉(や) 答 生死(せうし)
事大(じだい)也 生死(せうじ)根源(こんげん)知得(ちとく)せば生死(せうじ)も亦(また)昨日(きのふ)の夢(ゆめ)善(せん)
【左丁】
悪(あく)邪正(じやせう)水中(すいちう)の影(かげ)何(なに)をか取(と)り何(なに)をか捨(すて)ん自知(じち)すべし
問 生死(せうし)去来(きよらい)何(いづ)れに向(むかつ)て是(これ)を得(う)る 答 其方(そのほう)二六 時(じ)
中(ちう)発(おこ)る所(ところ)の心念(しんねん)生死(せうし)する根元(こんけん)也 問 心念(しんねん)争(いかで)生死(せうし)
する根源(こんげん)なるや 答 元来(ぐわんらい)不 生(せう)不 滅(めつ)也 生(せう)ずれども本(もと)
来所(らいしよ)無(な)く死(しす)るとも実(じつ)去所(きよしよ)なし 其方(そのほう)生(むま)れ来(く)ると
思(おも)ひ息(いき)絶(たゆ)れば死(し)し去(さ)るとおもふ心念(しんねん)生死(せうし)して一
切(さい)の苦患(くげん)と成(な)る是(これ)を妄想(もふぞう)と云(い)ふ此(この)妄相(もふぞう)自己(じこ)を
責(せ)むる妄敵(もふてき)也 問 無生無死(むせうむし)成(な)るを心念(しんねん)より 生(せう)
死(し)を見(み)一 切(さい)苦患(くげん)となれば此(この)念(ねん)退去(たいきよ)せんには如(しか)ず如(い)
何(かゞ)して心念(しんねん)去滅(きよめつ)する哉(や) 答 我(わ)か此(この)心念(しんねん)去滅(きよめつ)