翻刻!江戸の医療と養生

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養生長寿秘伝鈔 2巻 - 翻刻

養生長寿秘伝鈔 2巻 - ページ 79

ページ: 79

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【右丁】 道(みち)は跡(あと)なく形(かたち)無(な)し      目前(もくぜん)ながらあらはれず 信心(しん〴〵)不 二の(に)眼(まなこ)以(も)て      見(み)れば闇(やみ)にも明(あき)らけく 秘事(ひじ)は眉毛(まつげ)と聞(きく)からは     難(かた)きが中(なか)にまた易(やす)し 無量(むりやう)の宝珠(ほうじゆ)求(もと)めずも      此(この)身(み)一ッに充(みち)満(み)つる 凡愚(ぼんぐ)素(もと)より聖者(せうじや)なり      水(みず)と波(なみ)との如(ごと)くにて 水(みず)を離(はな)れて波(なみ)も無(な)く     凡愚(ぼんぐ)の外(ほか)に聖者(せうじや)無(な)し 道(みち)の近(ちか)きをしらずして       遠(とふ)きを尋(たづ)ぬ愚夫(ぐふ)鈍婦(どんぶ) 譬(たと)へば飯櫃(はんき)の中(なか)に居(い)て    飯(はん)を尋(たづ)ぬる如(ごと)くなり  (        めしびつ) 富貴(ふうき)の家(いへ)に居(い)ながらも     貧苦(ひんく)に逼(せま)るに異(こと)ならず 父母(ふぼ)未生前(みせうぜん)を尋(たづ)ぬれば     何国(いづく)の誰(たれ)が子(こ)なるぞや 【左丁】 生滅(せうめつ)知(し)らぬ直心(ぢきしん)成(な)るに     生死(せうし)取(と)るのも自己(をの)が所作(しよさ) 何(なに)を隔(へだ)てゝ生死(せうし)河(が)や      此岸(しかん)彼岸(ひがん)も只(たゞ)我(わ)が分別(ふんべつ) 不 生(せう)の生(せう) 不 滅(めつ)の滅(めつ)     来所(らいしよ)聞(きか)ねば去所(きよしよ)も見(み)ず 何国(いづく)にも暫(しば)し止(とま)らば住(すみ)かへよ。 筏(いかだ)を指(さ)すが如(ごと)くなり 一切(いつさい)有為(うい)の法(ほう)は夢(ゆめ)       本来(ほんらい)幻化の(げんげ)如く(ごと)也 無為(むい)法性(ほつせう)の都(みやこ)には        善悪(ぜんあく)邪正(じやせう)の花(はな)も無(な)し 六 藝(ぢん)【注1】や五 欲(よく)に耽(ふけ)る因縁(いんゑん)は 皆(みな)愚知(ぐち)無知(むち)の闇路(やみぢ)より 闇路(やみぢ)に闇路(やみぢ)踏重(ふみかさ)ね        いつか覚(さむ)べき夢(ゆめ)うつゝ 品(しな)も数多(あまた)の善根(ぜんこん)功徳(くどく)      皆(みな)此中(このうち)に籠(こも)るなり 自(みづ)から信心(しん〴〵)廻向(ゑかう)して       直(ぢき)に心仏(しんぶつ)拝(はい)すれば 【注1 よみ ぢん】