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コレクション: 曲亭馬琴

四遍搨心学草帋 : 3巻 - 翻刻

四遍搨心学草帋 : 3巻 - ページ 19

ページ: 19

翻刻

みから出たる さびがたな つるきをわたるは よの中のならいにて 太郎介はすみなれし わがいゑをおい 出されその日 くらしの しやくやすみに これまで かりたる 金玉にさい そくされ きん玉を つるし上 あとへも 先へも 引かれぬ しぎになる 〽百万べんと しやくきん こひはくる  たびしづかに   いふと  はり合が   ござらぬ 茶がまがうたを うたひさつま いもがふへを ふくくらいの 事じやない わしらが せる【競る=売る】もんは ものをいひ ます かへす〳〵と 口てばかり いつて ゐるは なかの わるひ内から つけことはりの 文がきた やうな もので はて しが  こさらぬ 〽まつ〳〵じつ  かにおつうしやり  ませおまへの  がみんな  りそくで  ござり    ます 〽めくらに#1 るすを つかふに こたつの 中へ まで かくれ ずと よさ さうな ものだ よく  〳〵 うろ  たへた    と 見へる

現代語訳

身から出た 錆が刀 剣を渡るのは 世の中の習いで 太郎介は住み慣れた 我が家を追い 出されたその日 暮らしの 借金返済に これまで 借りた 金玉に催 促され 金玉を 吊し上げ 後へも 先へも 引かれぬ 身になる 〽百万遍と 借金 恋は来る  旅静かに   言うと  張り合いが   ございません 茶釜が歌を 歌い薩摩 芋が笛を 吹くくらいの ことではない 私らが 売るものは 物を言い ます 返す返すと 口先ばかり 言って いるのは 仲の 悪い内から 付け込み道理の 文が来た ような もので 果てが  ございません 〽まずまず実際  かにお通しやり  ませお前の  が皆  利息で  ございり    ます 〽盲に 留守を 使うのに 炬燵の 中へ まで 隠れず とよさ そうな ものだ よく  よく うろ  たえた    と 見える

英語訳

What comes from one's own body, the rust on the sword crossing the blade is the way of the world, and Tarosuke, driven out from his familiar home on that very day, being pressed by creditors for the money he had borrowed until now for daily expenses, his finances are squeezed tight, unable to move forward or backward 〽A million times the debt love comes  speaking quietly   of travels  there's no   competition It's not like a tea kettle singing songs or a sweet potato playing the flute What we sell speaks for itself Saying "I'll pay back" over and over with just words is like receiving a letter of logical demands from hostile quarters, and there's  no end to it 〽Well, well, actually  crab-like you send through  all of yours  is  interest    indeed 〽Using a blind person to watch the house, even hiding in the kotatsu wouldn't be good enough He seems very  very bewildered    indeed