← 前のページ
ページ 50 / 188
次のページ →
翻刻
新町
塗師
久治
鳥目六百文 女房
ひさ
其方儀厳二実体二而舅姑二
能仕へ夫久次年若之砌者
聊心得違之儀茂有之處
其方儀心得方宜敷嫉妬之
心少茂無之実躰二取扱夫
義茂近々家業相励候所実
子無之二付幼年之男子貰請
実子同様二慈愛いたし年立
候二付職柄為習受浮世之
一助二茂相成平常之□方
を初諸事心付実躰二取扱
候故家内和合致候由相聞
寄技成義為
御称美鳥目被下之候
御仁恵之処厚相弁猶又可
相励もの也
現代語訳
新町
塗師
久治
鳥目六百文 妻
ひさ
そなたは厳格で実直であり、舅姑によく仕えている。夫の久次は年若い頃には多少心得違いのこともあったが、そなたの心得が良く、嫉妬の心が少しもなく実直に取り扱い、夫も近頃家業に励んでいるところである。実子がないため幼い男子をもらい受け、実子同様に慈愛をもって育て、年頃になったので職業を習わせて世渡りの一助ともなるようにし、平常の行いをはじめ諸事に心を配り実直に取り扱っているので、家内和合していることを聞いた。立派な行いであるので御称美として鳥目を下賜する。この御仁恵の趣旨をよく理解し、なお一層励むべきである。