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コレクション: 恋川春町

鸚鵡返文武二道(江戸東京博) - 翻刻

鸚鵡返文武二道(江戸東京博) - ページ 16

ページ: 16

翻刻

ゑんぎの 聖主 かん公の賢 まさふさの大じゆ かくのごとく 合ッ体しけれは けつけい うんかくより しよこう 太夫庶人に いたるまて 文を右にし 武を左に してこのころ までは かなつきの四書 五きやうを よまれしものか 今てはかなかきの 四書五きやうへ しんじをつけて さつ〳〵と しやう どく する 【師匠の台詞】 〽けいざい には かんび   し のむには けんび   しの   事だ 【生徒の台詞】 くわくちう そうじは また  かく   べつ おもし   ろひ くわくちう  よりは中洲の  かりたくの方が    はれ〳〵と    して    よかつた 【本文】 がく もんの 道 日 々 さ かん に なり 孝 弟 忠信【孝悌忠信】 の道 さかんに おこな はれ 此 御代に ゑんきしき 延喜かく の書も いてきに けり 〽かん 公 御さくの きうくわん 鳥のことばも あづさに ちりはめ られ あま ねく せけんに おこ なはれる かん公の 御さくの きうくわん 鳥を とゝ のへ たい 【本屋店主の台詞】 いかの  ほりの おたとへは おもしろふ 御ざります 【貼り紙】 菅公御作 秦吉了(きうかんてう)の言葉(ことば) 小沢子 会日 史記 五十之日 韓非子 三八之日 大学或問 百年先生著 経典余師 【看板】  すはらや 書林  小沢 書肆

現代語訳

延喜の聖主(醍醐天皇)、菅公の賢才、匡房の大儒、このように合致したので、結局、雲客(公卿)より諸侯、大夫、庶人に至るまで、文を右にし武を左にして、このころまでは仮名付きの四書五経を読まれていたものが、今では仮名書きの四書五経へ真字(漢字)を付けて、さっさと素読するようになった。 【師匠の台詞】 「経済には漢文詩の読むには漢文詩のことだ。」 【生徒の台詞】 「学中掃除はまた格別面白い。」 「学中よりは中洲の仮宅の方が晴れ晴れとしてよかった。」 【本文】 学問の道は日々盛んになり、孝悌忠信の道が盛んに行われ、この御代に延喜式の書も出来上がった。菅公御作の弓管鳥の言葉も梓(印刷物)に散りばめられ、あまねく世間に行われる。 菅公の御作の弓管鳥を整えたい。 【本屋店主の台詞】 「鯉の滝登りのお例えは面白うございます。」 【貼り紙】 菅公御作 弓管鳥の言葉 小沢子 会日 史記 五十之日 韓非子 三八之日 大学或問 百年先生著 経典余師 【看板】 菅原屋 書林 小沢 書肆