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コレクション: 山東京伝

傾城買四十八手 - 翻刻

傾城買四十八手 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

おきかせなんしなおいひなんせんとくすぐ りんすよ「ムスコ いはずともいゝじやアねへかねマア とをひのさ「女郎 ほんにかへ「ムスコ おめへあてゝみな 「女郎 そんならかしら字(じ)をいつておきかせなん し「ムスコ かしら字はにのじさ「女郎 まちなんし よにのじだねコウトそんなら日本橋(にほんばし)かへ 「ムスコ 《割書:わらひ|ながら》ちがつたね「女郎 《割書:又しばらく|かんがへて》そんならに かは丁とやらかへ「ムスコ いんへ「女郎 しれつてへど こだのう《割書:トかんざしで|まへかみをかく》「ムスコ やつぱりほんとうは日 本橋の近所西河岸(にしがし)サ「女郎 ソレ見なんしよく あてんしたらうモシヘ日本橋へもかんのんさんを 通(とを)つていきんすかへ「ムスコ しれたことサ「女郎 大かた 内にはおかみさんがござんせうね「ムスコ ナアニま だそんなものがあるものだ「女郎 そんならどこ ぞの女郎しゆにおたのしみがあんなんすだらう ね「ムスコ 内がやかましくて出られぬからこつち

現代語訳

お聞かせなさいませ。おっしゃらないとくすぐりますよ」「息子 言わずともよいではありませんか。まあ、遠いのです」「女郎 本当ですか」「息子 あなたが当ててみなさい」「女郎 それなら頭文字を言ってお聞かせなさいませ」「息子 頭文字は『に』の字です」「女郎 お待ちなさいよ。『に』の字ですね。こう、それなら日本橋ですか」「息子 《割注:笑いながら》違いました」「女郎 《割注:また しばらく考えて》それなら二川丁とやらですか」「息子 いえいえ」「女郎 知れているけれど、困ったなあ《割注:とかんざしで前髪をかく》」「息子 やはり本当は日本橋の近所、西河岸です」「女郎 それごらんなさい。よく当てたでしょう。もしや、日本橋へも観音さんを通っていきますか」「息子 知れたことです」「女郎 大方、お宅にはお上さんがいらっしゃるでしょうね」「息子 なあに、まだそんなものがあるものか」「女郎 それならどこぞの女郎衆にお楽しみがおありでしょうね」「息子 家がやかましくて出られないからこちら

英語訳

Please tell me. If you don't speak up, I'll tickle you」「Young man: Isn't it fine not to say? Well, it's far away」「Courtesan: Really?」「Young man: You try to guess」「Courtesan: Then please tell me the first character」「Young man: The first character is 'ni'」「Courtesan: Wait now. It's 'ni', isn't it? Well then, is it Nihonbashi?」「Young man: 《Note: laughing》 Wrong」「Courtesan: 《Note: thinking again for a while》 Then is it Nikawa-cho or something?」「Young man: No, no」「Courtesan: I should know this, but how troublesome《Note: scratching her forehead with her hairpin}}」「Young man: Actually, the truth is it's near Nihonbashi, at Nishi-gashi」「Courtesan: See there! I guessed well, didn't I? Perhaps you go to Nihonbashi by way of Kannon-san too?」「Young man: Of course」「Courtesan: I suppose you probably have a wife at home」「Young man: No way, I don't have such a thing yet」「Courtesan: Then you must have some pleasure with courtesans somewhere」「Young man: My household is strict and I can't get out, so I come here