翻刻
山瑞の岩根まくらに姫まつの
ねすかたかくす朝かすみかな 墨染ゑもん
消かぬる雪によわりし杣人の
きをひき出す鶯の声 少々成朝
はつ春のもて遊ひには石なこの
子等か手にとる屠蘇のかはらけ 秋永夜
うくひすに春をならへは七尺の
軒端のうめの蔭もふむまし 麻呂久捘磨
かけろふももゆるや春の空炷に
けふりてなひく軒の春柳 根売木石
篭なから梅のさくには鶯も
おのかゑつほに入てなくらん 萌黄浦人
同 桐生
風の手にのせてきゝぬる梅か香は
かの六国の香も及はし 綾織主
手ならひのはしめの春は鶯の
こゑもいろはにほけきやうと鳴 葛裏風
君か代はいつもせんさい集なれは
万葉集に若菜指てん 物当風
こゝのへの玉しく庭のうくひすは
羽を便面にしてや鳴なん 暁鴉坊 #1
引はゆるしりくめ縄をしめかえに
がけてそ花の香はとゝめなん 桐長持 #2
同
田ねつみのけすとこそきけ鶉ふに
のこる野もせのうね〳〵の雪 胡蝶菴夢輔
はつ鶏?のうたひそめよりかすみては
観世もめつる高砂のうら 《割書:七日市| 》寝語軒美隣
このましき枝艸?の葉の園生より
ふけや眉けに風のわかやき 《割書:神田| 》ト入道人並